練馬の保育園民営化裁判追っかけ隊

練馬区立光が丘第八保育園の委託化をめぐって提起された、住民訴訟の記録です。練馬区のやり方は、理不尽にもほどがある!

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第11回弁論報告(3)~転園の決断篇

今回お伝えする証言内容は、混乱の最中、転園という苦渋の決断を強いられた当時の状況、心境です。
数百メートルしか離れていない園に転園してきたのに、自分たちが「戦火を逃れてきた親子」のように感じられたという証言が、ズシリと響きます。
転園先での「キラキラの体験」は、なかなか言葉にしづらい「保育の質」というものの一端を、見事に表現していると思いました。

ぜひご覧ください。

このような過程で、貴女はお子さんを転園させることに決めたのですね。
はい。それと、この引継ぎ期間中も協議会は平行して開催されていたのですが、この協議会の中で、保育士の経験年数について、幼稚園経験も保育園経験としてカウントするという、公募の条件を区が勝手にねじまげている事態が発覚していました。私は下の娘を0歳児クラスに預けていましたので、首のすわらないあかちゃんを抱っこしたこともない人が、0歳児クラスの先生に入るということが、とても恐ろしく感じられましたし、区がこのことの重大性に思い及ばないことが、絶望的だと思いました。オーバーだと思われるかもしれませんが、このままあずけていたら、取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。生命の危機を感じて、転園を決意しました。

転園でお子さんも環境がかわってしまう上、2人のお子さんが別々の保育園になってしまう可能性もあったのですね。転園の決断は勇気がいりましたね。
はい。2人別々の園を覚悟しましたが、小学校にあがる上の娘も含めて、時間的に回せるのか、こどもたちにはなんと言ったらよいか、正直とても迷いました。・・・それでも、転園するしかないと思いました。

転園先での印象は「戦火を逃れてきた親子」のようだったということですか。
はい。転園したある日のこと、園庭からこどもや保護者、保育士の笑い声が聞こえてきたことがありました。そのときに「保育園ってこういうところだったんだよね。こういうごく普通の暖かい日常に満ち溢れた場所だったんだ・・・」と思い、思わず涙が出そうになりました。わずか数百メートルしか離れていない園に転園してきたのに、自分たちが「戦火を逃れてきた親子」のように感じられたのです。第八保育園での最後の7カ月は、親子で神経をすり減らして過ごした、笑うことも忘れてしまった、尋常でない状態だったのだなと改めて感じました。
※陳述書9~10ページ
平成18年4月、長男と二女は、現在の園に転園しました。
現在の園は、子どもたちにきめ細かく配慮してくださいました。保育園ではそれぞれの目印としてマークがあり、第八保育園では長男は“さかな”、二女は“りんご”のマークを使っていました。現在の園には、“さかな”マークがなかったので、保育士の先生が第八保育園から、わざわざ“さかな”マークの実物をFAXで取り寄せてマークを作ってくれました。私は、その心遣いがとても嬉しく、心に沁みました。長男は引き続き同じ“さかな”マークを使い、最初の一週間こそ「ここは、ぼくの保育園じゃなぁーーい!」と絶叫していたものの、あっという間に新しい保育園に慣れていきました。
現在の園に転園した後、保育園に子どもたちを送りに行ったときに、園庭から笑い声が聞こえてきました。その笑い声を聞いて、「ああ、保育園ってこういうところだったんだよね。こういうごく普通の、暖かい日常に満ち溢れた場所だったんだ」と感じ、思わず涙が出そうになりました。第八保育園からわずか数百メートルしか離れていない保育園に転園してきたのに、自分たちが「戦火を逃れてきた親子」のように感じられました。これは決して大袈裟な表現ではありません。本当に、第八保育園での最後の6ヵ月は、親子で神経をすり減らした、尋常な状態ではなかったと、あらためて感じています。
先日、この4月に5歳児の年長クラスに進級した長男のクラスで、小さな事件が起きました。4歳児クラスのときからずっと世話をしてきたカマキリのたまごから、たくさんの小さなあかちゃんカマキリがかえったのです。子どもたちは、大興奮。どうするか先生方と話し合った結果、たまごを拾ってきた光が丘公園の草むらに還すことにし、みんなであかちゃんカマキリを還してきたそうです。私はこの話を聞いて、とても嬉しくなり、そしてつくづく思いました。委託のときにあれほど語られた「保育の質」とは、まさに今回のような出来事なのだろうと。4歳児クラスから、子どもたちが大切に育ててきたカマキリのたまごからあかちゃんカマキリが誕生して、もとの自然の世界に還した。これらは、「園での安定した生活」と「継続した保育環境」と「先生や友だちとのすこやかな関係」なくしてはありえません。長男クラスの保育の営みから生まれた、かけがえのない“キラキラの体験”。保育の営みを途中で分断する保育園の民間委託は、たくさんの貴重な“キラキラの体験”を奪うこと、そのものだと思います

転園後の本園の様子についてなにか聞いていますか。
メーリングリストで4月に入ってすぐに、書き込みが増えたという印象があります。
具体的には、0歳時クラスで、量や温度がまちまちのミルクが出されたり、明らかに口に合わない大きなスプーンが用意されていたり、0歳児の子に離乳食を食べさせられなくて、子供も先生も半泣き状態になっている様子などです。
また5歳児クラスでは、担任の先生がクラスをうまくまとめらない状況の中で「○○ちゃんはきりん組にはいりません」とみんなの前で言われてしまった子がいるという話を聞きました。またクラスが落ち着かないからでしょうか、これまでとれてきたお昼寝が十分にとれず、お迎えの帰り道に眠くなってしまい、保護者がおんぶして帰るようなことが度々あったという話も聞きました。

区の民間委託の進め方等について関して裁判所に仰りたいことはありますか。
ひとつは、今回の委託を進め方について、区側にはあまりにもたくさんの問題がありますが、保護者として一番許せないことは、「合意事項の反故」であったと思います。区は「保護者との信頼関係をもとに」と何度も言ってきましたが、信頼関係を一方的に絶ったのは区自身なのです。委託が始まる前から、信頼関係はすでになかったのですから、委託がスムーズにいくはずがありません。双方で決めたルールをいとも簡単に破る。こんな区民を冒涜したやり方がまかり通っていいはずがないのです。この点について、裁判所には、ぜひとも厳しくご判断いただきたいと思います。
二つ目は、年度途中委託を強行しなければ、これだけの混乱は起きなかったと思います。財政的にも全くメリットがない。保育の現場にいる、こども、保育者、保護者にこれほどの犠牲を強いてまでも、年度途中しなければならなかった理由など、微塵もないのです。なのに区は、区長のメンツだけで年度途中委託を強行した。この責任についても、裁判所にきちんとご判断いただきたいと思います。
最後に、区はあらたな委託計画を発表し、進めようとしていますが、区は第八保育園をある意味実験台としておきながら、そこから得たことを全く教訓とすることなく、次の委託を進めています。第八歩保育園の委託で起きた、事実のひとつひとつをきちんと受け止め、次に生かすのでなければ、第八保育園の混乱は全く意味のないものとなってしまいます。二度と、あの時の私たち親子や保育者と同じようなことがあってはならない、と切に思います。
また既存園を民間委託することは、これまでたくさんの時間をかけて積み上げてきた保育の営みを断ち切り、分断すること以外の何者でもありません。そして、保育園に通う普通の親子の、かけがえのない日々、大切な日常生活を奪いました。そのことがどれだけ重要で取り返しのつかないことか、裁判所には、受け止めていただきたいと思います。

(主尋問はここまで)



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笠本

Author:笠本
原告の一人でした。裁判の結果は僕たちが望むものではありませんでしたが、一方で、信じられないくらいたくさんのご支援・ご声援をいただきました。本当にありがとうございました。僕たちの足跡が、今後同様の問題に悩む保護者のみなさんに、少しでもお役に立てればと思い、このブログを記録として残します。

ぜひ読んでください!

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