練馬の保育園民営化裁判追っかけ隊

練馬区立光が丘第八保育園の委託化をめぐって提起された、住民訴訟の記録です。練馬区のやり方は、理不尽にもほどがある!

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東京地裁判決(要旨);「該当なし」の一次選定と、それを覆した二次選定について

これも最大の争点のひとつでした。判決文を、引用番号を省略した以外は、原文で紹介します。


また、(認定事実の引用)によると、選定委員会では、最終の選定作業において、ピジョンを除く3事業者については、5名の委員によって不適格であるとの意見がまとまり、また、ピジョンについては、2名の委員が受託する適格を有するとの意見が述べられたものの、3名の委員からは特に現地調査における問題点が指摘されて不適格との意見が述べられた結果、いずれの事業者についても受託事業者として選定するとの意見はまとまらずに会合が終了したことが認められるところ、選定委員会の議事が最終的には多数決で決せられることとされていたこと(認定事実の引用)を考慮すると、選定委員会の総括文において、「選定するに至らなかった」との表現が用いられていたことが認められる(認定事実の引用)としても、選定委員会としては、光八保育園の運営業務の受託事業者として選定しうる事業者はなかったと判断したものということができる。
もっとも、前述のとおり、光八保育園の民間委託化に当たっての受託事業者の選定については、練馬区ないしその長である志村区長の裁量にゆだねられているのであるから、受託事業者を選定するために組織された選定委員会において、応募事業者の中から選定し得る事業者がなかったと判断されたとしても、その結果を受けて、再び公募段階からやり直すことにするか、あるいは新たに事業者を選定する組織を設置し、当該組織を用いて選定段階からやり直すことにするかについても、練馬区ないし志村区長の合理的な裁量にゆだねられているというべきである。
そして、確かに、選定委員会は対策協議会における光八保護者の意向に基づき設置され、その構成も光八保護者が推薦する有識者委員が多数を占めるものとされており(認定事実の引用)、光八保育園の民間委託化に当たって光八保育園の園児及び光八保護者が受ける影響が最小限に抑えられるように受託事業者を選定する組織として合理的な組織であるということができるものの、前記認定事実によると、応募事業者は、いずれも、公募の段階から高い基準を求める光八保護者との合意により定められた、認可保育所1園を含む認証保育所又はそれと同等以上の保育施設を複数運営することなどを内容とする極めてハードルの高い本件募集要領を満たすものとして応募してきたものであること(認定事実の引用)、年度途中での委託という点に関して困難が伴うことを認識しながら、それを乗り越えて応募してきたものであり、受託への強い意欲が見られたこと(認定事実の引用)、応募事業者はいずれも書類審査等においては問題がないとされていたこと(認定事実の引用)、選定委員の間では従前の光八保育園の保育の質は相当に高いものであったと認識され、選定委員会における議論及び判断は、受託事業者が一般的に区立保育所と同等の水準で保育所を運営する能力を有するか否かという観点からではなく、受託事業者が従前の光八保育園と同等の高い水準の保育の質を引き継ぐことができるかという観点からされていたということができること(認定事実の引用)、選定会議では、選定委員会の評価を尊重した上、選定委員会で多数の問題点が指摘された応募事業者が現に運営する保育所の現地調査の結果については、選定委員会が約2時間の調査であったのに対し、実際に保育所運営を手掛けている専門家に午前8時30分から午後6時ころまで十分な時間をかけて現地調査をさせることで、より充実した調査をすることとしたこと(認定事実の引用)、現地調査部会の委員が現に保育所の運営管理を手掛けていたことなどから練馬区内の保育水準を熟知しているはずだとして、委員に光八保育園の視察をさせなかったとしても、その判断は一応の合理性を有するものということができるから、そのことをもって現地調査部会の調査が不十分だということはできないこと(認定事実の引用)、新たな選定組織の人選も、他の保育所事業に係る選定組織を参考にして、それぞれ独立して職権を行使することができるよう所管課から離れたものとするなどの配慮がされていること(認定事実の引用)が認められることに照らすと、応募事業者はいずれも一定の保育を提供する能力を有し、光八保育園の運営業務を十分受託しうると判断することはある程度合理的なものであり、かつ、選定会議の構成及び選定会議における選定の方法も、優良な受託事業者を選定するためのものとして一定の合理性を有するものということができる。
そうすると、志村区長が選定委員会の判断の結果を受けて、それでもなお応募事業者の中から受託事業者を選定し得ると判断し、公募段階からやり直すことをせずに、新たに選定会議を設置して応募事業者を対象とする選定作業からやり直すこととした判断は、必ずしも不合理なものということはできない。


笠本はこう思う!
光八の受託事業者選定は、選定委員会(一次選定)による「該当なし」(被告の主張では「選定に至らず」)という結論を経て、選定会議(二次選定)が落第事業者の落第点を合格点に書き直す形で無理やりピジョンを選んだと、このブログでもご紹介してきました。
大きな争点のひとつだった「該当なし」か「選定に至らず」かという事実認定について、裁判所はその意図することを踏まえたうえで、原告の主張した事実を認定したことが読み取れます。
その上で、被告による二次選定が最終的にピジョンを選んだことを「必ずしも不合理なものということはできない」と結論づけています。
判決文は、一次選定については原告の主張を、二次選定については被告の主張を採用する形になっています。二次選定の事実認定の甘さ。時間をかけさえすれば、より充実した現地調査ができるとした判断の甘さ。現地調査部会を形式的に独立した権能があるかのように見せれば、その組織が自由に意見表明ができると無邪気に信じる裁判官の甘さ。区長の意を受けた庁内の部長クラス4名が最終判断するんです。誰だって、区はピジョンを選定したがっていると思います。それなのに、区や都や国から補助金を得て私立の保育園を運営する園長らが、区の意向から全く自由に判断するなんて、そんな勇気を持てる訳ないですよね。
「高いハードル」論もそうです。高いハードルを乗り越えてきた事業者が、優良な事業者という訳ではありません。むしろ事業者が優良なら、光八の募集で設定されたハードルではとても応募できないと判断するはずです。これでも応募してくるのは、「とりあえず仕事を確保して、帳尻は後で合わせる」という市場競争に晒されている民間事業者の発想にもとづくものであることは、民間に勤める人たちならたいていは解ると思います。意欲だって、仕事が欲しいと思えばどんなウソをついても意欲を見せます。
裁判員制度は、刑事裁判ではなく、行政裁判に導入すべきです。絶対にそう思います。

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笠本

Author:笠本
原告の一人でした。裁判の結果は僕たちが望むものではありませんでしたが、一方で、信じられないくらいたくさんのご支援・ご声援をいただきました。本当にありがとうございました。僕たちの足跡が、今後同様の問題に悩む保護者のみなさんに、少しでもお役に立てればと思い、このブログを記録として残します。

ぜひ読んでください!

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