練馬の保育園民営化裁判追っかけ隊

練馬区立光が丘第八保育園の委託化をめぐって提起された、住民訴訟の記録です。練馬区のやり方は、理不尽にもほどがある!

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第二次選定の瑕疵

平成17年7月19日、練馬区は光が丘第八保育園(光八)保護者を対象に、今後の対応についての説明会を無理矢理開きました。それによると、

・練馬区が庁内に「選定会議」を設置し、応募事業者の中から再度選定すること
・「9月からの全面委託」を「9月から準備委託開始」とし、全面委託は12月からとすること

などが説明されました。

健康福祉事業本部長を会長に、練馬区の部長クラス3名が、第一次選定でつけられた落第点を、合格点につけ直すという方法で選定するというものでした。

しかも審査対象には、第一次選定で練馬区の児童青少年部長自身が不適格と評価している事業者が含まれていました。第一次選定で「残る1社をめぐって意見が分かれ」た事実から考えれば、この1社に合格のお墨付きを与える選定であったことは、誰が見ても明らかです。

以下に詳述します。
事実関係

(1)選定会議(第二次選定のための機関)設置

平成17年7月15日、練馬区は第一次選定の最終報告書を待つことなく、「練馬区立光が丘第八保育園運営業務委託事業者選定会議設置要領」を定め、第二次選定のために「選定会議」を庁内に設置しました。

同年7月19日午後7時より、被告は選定会議による第二次選定を行う旨を説明するため、光八保護者を対象にした説明会を開催しました。前日(海の日)に職員を休日出勤させ、各家庭への個別訪問により、説明会の案内文を配布させた。説明会当日は、通常は午後7時半で閉園するところを午後9時まで延長し、夕食を支給して園児を預るという措置までとって、開いた説明会でした。

説明会の内容は、

・庁内に選定会議を立を上げ、応募4社を対象に改めて選定を行う旨
・選定会議の構成や現地調査部会の設置について
・当面のスケジュール

などでした。

選定会議の構成員は、練馬区健康福祉事業本部長(会長)、企画部長、総務部長、保健福祉部長の4名。当面のスケジュールは、「9月からの全面委託」を「9月から準備委託開始」とし、全面委託は12月からとすることが、その内容でした。

7月23日の第15回対策協議会では、選定会議の会長自身が、9月委託について「この対応は不退転の決意である」と、スケジュール変更の意思が全くない意思を表明しています。

この時点で審査対象とされた4社のうち、1社が辞退したことが、7月30日の対策協議会で報告されました。

8月1日に第二次選定の選定方針が定められ、12日には受託事業者がピジョン株式会社に決定し、志村区長に報告されました。

(2)評価の方法(低い点を高く付け替える)

同年8月1日、練馬区は「練馬区立光が丘第八保育園運営業務委託事業者選定方針」を定めました。それによると、選定会議は第一次選定の採点結果の多くを踏襲しながら、そこで指摘された問題点を中心に検証・確認し再審査したうえで委託事業者を選定する役割を担っていました。

「最低基準」にかかる事業者があった場合は、直ちに審査対象外とはせず、選定会議の合議により判断することとされました。

選定会議が重点的に再審査・再評価した項目は、審査基準表の中の「現地調査による審査」でした。その他、当面のスケジュールに変更があったことに伴い、職員配置や準備委託の考え方について、改めて事業者に対しヒアリングを行い、再審査しました。

これら以外の項目については、第一次選定の結果をそのまま引き継ぎました。

選定会議は現地調査による審査をやり直すため、下部組織として「現地調査部会」を設けました。調査に当たっては、第一次選定で用いた「実地調査時の評価ポイント」の評価項目に則って評価を行うことにより、第一次選定において「特に問題となった」現地調査の項目を、再審査することとされました。

現地調査部会は、第一次選定で「特に重要視すべき」と指摘された「保育内容の質は高いか」という項目について、再度調査し、審査しました。その結果、第一次選定では児童青少年部長を除く4名の委員が40点満点中2点という評価を下したピジョン社の保育内容に対し、現地調査部会は評者4名全員が32点をつけました。その他の評価項目においても、第一次選定で2点がつけられた部分はすべて24点と評価し直されています。残りの2社についても同様でした。

現地調査部会は、光八の視察には行っていませんでした。

選定会議は、再審査した結果を含めて評点を単純に合算し、その事業者が年度途中の委託という難事業をなしえるかどうかを検討しないまま、最高点であったピジョン株式会社を選定し、その旨志村区長に報告しました。

(3)評価の対象(事実上1社のみ)

第一次選定においては、1社の受託適格をめぐって各委員の意見が分かれましたが、残りの3社については、児童青少年部長を含む全委員が、適格性を認めない意見で一致していました。

有識者委員3名の補足意見には、9月委託では職員体制が整わない事業者が複数あったこと、光八で当然に実施されている障害児保育への対応が困難な事業者が存在したこと、給食提供の状況に問題がある事業者が存在したこと、保育士としての最低限の専門性をも疑われる力量不足や、それを改善する仕組みそのものの欠陥を認めざるを得ないような事業者が少なからずいたことなどが、指摘されていました。

平成17年7月12日、被告は記者会見の中で「応募してきた事業者の中には、他区ですでに実績があり、外部の評価も高い事業者が複数含まれている」との認識を表明したうえで、「事業者の選定は、十分に可能」と主張しました。

論証

a)選定会議の設置目的
とにかく早急に事業者を選定し、選定事業者と契約を結んで9月からの準備委託に間に合わせることにあったことは、もはや論を待たないでしょう。練馬区が練馬区議会文教児童青少年委員会に対し、「事業者の選定については区の責任で判断する」と報告した4日後の15日に選定会議を庁内に設置し、19日の光八保護者説明会でその旨が報告され、8月1日に選定方針策定、12日に受託事業者決定の報告という経過をたどっています。選定会議の設置から1ヶ月弱、選定方針の策定から10日あまりの選定作業でした。9月からの準備委託開始を念頭に置かなければ、このようなスケジュールにはなりません。実際、選定会議の会長自身が、9月からの委託方針が「区として不退転」と強い意思表示を公の場でしています。

b)選定会議の役割
第一次選定で明らかにされた応募事業者各社の問題点を打ち消す点にあったことも、言うまでもありません。「選定方針」そのものに、第一次選定で指摘された問題点を中心に検証・確認し再審査する旨が明記されていますし、また、特に指摘のなかった部分については、第一次選定の評価をそのまま踏襲している事実からも明らかです。さらに、「特に重要視すべき」とされた現地調査については、すでに述べた再審査の結果が、それを裏付けています。
また、「光八の保育水準を委託後も維持する」ことが被告と保護者代表との共通認識でした。そのため第一次選定では、同園の視察によって保育水準を確認したうえで、現地調査を行いました。ところが、第二次選定における現地調査部会は、その手順を踏んでいないことが明らかにされています。同部会の評点が、光八の保育水準を意識したものであると合理的に解釈すべき事実は、何一つありません。

c)第二次選定の審査対象
事実上1社のみであったことも明らかです。選定委員会報告には、意見が分かれたのは1社であったことが明記されています。つまり、残りの3社については、児童青少年部長を含む委員全員が受託適格なしという意見で異論はなかったのです。
また、練馬区は12日の記者会見において「応募してきた事業者の中には、他区ですでに実績があり、外部の評価も高い事業者が複数含まれている」との認識を表明したうえで、「事業者の選定は、十分に可能」と主張しましたが、その後もそれ以上の説明をいかなる場でもしていません。その中身が9月委託を成功させた実績なのかどうか等には一切言及せず、「他区での実績」「外部の高い評価」といった抽象的な根拠のみを、主張の拠り所としています。

少なくとも以上3点において、第二次選定には著しい瑕疵が認められると言わざるをえません。

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笠本

Author:笠本
原告の一人でした。裁判の結果は僕たちが望むものではありませんでしたが、一方で、信じられないくらいたくさんのご支援・ご声援をいただきました。本当にありがとうございました。僕たちの足跡が、今後同様の問題に悩む保護者のみなさんに、少しでもお役に立てればと思い、このブログを記録として残します。

ぜひ読んでください!

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